【ぱんと郷土料理と】鍛冶屋鍋(兵庫)
ぱんと郷土料理と
「どこの生まれですか」そんな問いのむこうに思い浮かぶもの、それは日本各地の食卓。情報網や物流が発達して、各地の食べものを知り、取り寄せることがかんたんにできるようになった今でも、まだまだ知られていない郷土料理があります。その土地ならではの食材を、そこに伝わる知恵と工夫で調理した、懐かしい香りのする料理の数々。ここでは、そんな郷土料理をパンと一緒に味わう旅をしてみましょう。意外な組み合わせとおいしさに出会えるかもしれません。
今回ご紹介するのは「鍛冶屋鍋」。兵庫県の郷土料理です。兵庫県三木市は、日本で最初の金物の町と言われ、鍛冶の発達と共に優れた職人を輩出してきました。この鍛冶屋鍋は鍛冶職人が夏に精力をつけるために好んで食べたそうです。
明治から大正のころ、瀬戸内の明石から三木へ魚の行商が往来しており、夏に明石沖の激しい潮流にもまれたタコは身が締まり、梅雨の水をのんでちょうどおいしくなる時期でした。旬のナスと一緒に醤油味で浅炊きにした鍛冶屋鍋は、あっさりとしていて食べやすく酷暑の中で働く職人に喜ばれました。冷やしてよく味が染みた鍛冶屋鍋は、食欲のない時でもおいしくいただくことができます。一時期廃れた鍛冶屋鍋ですが、今はたくさんの具を加えて鍋料理としてアレンジされていることも多いようです。カレー粉やトマトを加えると洋風になってパンにもよくあいます。
カレー粉を加えてアレンジ
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レシピ「鍛冶屋鍋」
最もシンプルなレシピはタコとナスを醤油味に煮ます。他に野菜をいろいろ入れてもおいしいです。タコからいいだしが出るので、あらかじめだしをとる必要がないのも作りやすいですね。
<材料>作りやすい量
なす 2個
タコ 100g
醤油 大さじ2
みりん 大さじ1
水 1カップ(200cc)
<作り方>
①ナスは一口大の乱切り、タコも2cm角くらいの大きさに切る。
②水1カップに醤油、みりん、切ったタコを入れ、柔らかくなるまで10分ほど煮る。途中でナスも加える。
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