【ぱんと郷土料理と】いもべらあずき(高知)

【ぱんと郷土料理と】いもべらあずき(高知)

ぱんと郷土料理と

「どこの生まれですか」そんな問いのむこうに思い浮かぶもの、それは日本各地の食卓。情報網や物流が発達して、各地の食べものを知り、取り寄せることがかんたんにできるようになった今でも、まだまだ知られていない郷土料理があります。その土地ならではの食材を、そこに伝わる知恵と工夫で調理した、懐かしい香りのする料理の数々。ここでは、そんな郷土料理をパンと一緒に味わう旅をしてみましょう。意外な組み合わせとおいしさに出会えるかもしれません。

今回ご紹介するのは「いもべらあずき」。干し芋を水戻しして甘く煮る、というありそうでなかなかお目にかかることのない、高知県伊野町の郷土料理です。土佐和紙の産地として知られるこの地域では昔から干し芋が盛んに作られていましたが、その干し芋のことを「へら」と呼んでいます。確かに干し芋の見た目は靴べらに似ています。独特の作り方として、さつまいもを蒸すのではなく丸のまま何時間もじっくりと煮たのち干し、乾いてきたら輪切りにし、さらに干した「ゆでべら」や「煮べら」と呼んでいるものもあります。

「いもべらあずき」は、このゆでべらと小豆を甘く煮た伊野町の郷土料理で、きんとんのような素朴な甘みが特徴です。荒地でも育つさつまいもは、米や麦が足りない時のため、昔から干し芋にして保存食として食べられていました。干し加減も今のようなそのまま食べられる柔らかさではなく、長期保存用にカチカチに干し上げられたものを水戻しして食べていたと思われます。 白砂糖は貴重品だったので、もともとは黒砂糖を使っており、真っ黒な見た目だったそうです。よく考えたら干し芋も乾物の仲間、水で戻せばさつまいもペーストになるわけで、新鮮な驚きとともに洋菓子にも応用できそうな可能性を感じますね。まずはそのままの「いもべらああずき」、ぜひお試しを!

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レシピ「いもべらあずき」

干し芋は市販されているものでできます。伝統的な高知県のいもべらあずきは黒砂糖を使っていたようです。見た目は悪いですがコクのある仕上がりになります。砂糖の分量はかなり控えめなので、お好みで増やしてください。

<材料>3~4人分
干し芋 150g
小豆 1/4カップ
砂糖 30g
塩 ひとつまみ

<作り方>
①干し芋は平らな容器に入れて、全体がかぶるくらい200~250ccの水に一晩浸けておく(細めに裂いてから浸けると短時間で柔らかくなる)
②小豆は4倍(1カップ)くらいの水とともに小鍋に入れて、沸騰したら弱火にして、胴割れしない程度に柔らかくなるまで30分ほど煮る(途中で豆が水面から出てしまうようなら水を足す)。小豆が柔らかくなったらザルにあげて水気を切っておく。
③①を鍋に移して火にかけ、砂糖、塩を加えて柔らかくなるまで弱火で煮る。ざっくりつぶしたところへ②の小豆を加える。きんとん程度の固さに仕上げてできあがり。

 

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