【ぱんと郷土料理と】わらびたたき(山形)

【ぱんと郷土料理と】わらびたたき(山形)

ぱんと郷土料理と

「どこの生まれですか」そんな問いのむこうに思い浮かぶもの、それは日本各地の食卓。情報網や物流が発達して、各地の食べものを知り、取り寄せることがかんたんにできるようになった今でも、まだまだ知られていない郷土料理があります。その土地ならではの食材を、そこに伝わる知恵と工夫で調理した、懐かしい香りのする料理の数々。ここでは、そんな郷土料理をパンと一緒に味わう旅をしてみましょう。意外な組み合わせとおいしさに出会えるかもしれません。

今回ご紹介するのは「わらびたたき」。日本一のわらびの生産地、山形県の郷土料理です。わらびは桜の咲くころから6月ごろにかけて収穫でき、春の味として古くから大切に食されています。山菜の中でもアクが強い種類なので、アクを抜いてからたたきやおひたし、煮物、みそ汁にします。「わらびたたき」の「たたき」は、まな板の上にのせたわらびを包丁で切るように叩くことで、わらびの繊維を断ち切り細かくする調理方法のことです。細かく切るととろみが出てきて独特のおいしさが生まれます。山菜にはそのまま調理できるこごみやふきのとう、タラの芽などもあります。アク抜きが必要なわらびや竹の子は少々手間はかかりますが、干したり塩漬けにして長期保存もできます。

 山菜のアクの主成分はポリフェノールで、抗酸化作用などさまざま健康によい成分が含まれていることが近年の研究で明らかになってきました。食養生の考え方に「春は苦みをとる」というものがあります。冬のあいだに蓄積した老廃物を山菜の苦み成分が取り除くと言われています。現代人にとっては春を味わう食材ですが、昔の人にとっては野菜の少ない季節の貴重な栄養源でもありました。

 山菜は手間がかかりそう…と思われる方も多いかもしれませんが、わらびはアク抜きの時間はかかりますが(放置するだけ)、皮をむく必要もないので、竹の子よりもかんたんです。ぜひ、新鮮なわらびを手に入れてデトックスの一助にしてみませんか。

「わらびたたき」をさらにクリームチーズであえると、パンにぴったりのディップに!

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レシピ「わらびたたき」

フレッシュなものにはかないませんが、水煮のわらびでも春の味わいを楽しむことができます。わらびたたきはごはんやパンの他、麺の具としてもおいしいです。

<材料>作りやすい量
わらび(生) 100g
味噌 大さじ1
重曹(下処理用)小さじ1
<作り方>
■下処理をする
①わらびは根元の硬い部分をを切り落とす。
②バットにわらびと重曹を入れて1リットルの熱湯を注ぎすぐに火を止め、オーブンシートなどで落とし蓋をする。そのまま一晩おく。
※保存容器に水に浸して保存し、毎日水を変えれば1週間ほど保存可能です。
■わらびたたきを作る
①鍋にたっぷり湯を沸かし、下処理したわらびをいれて3分ほど指で潰せる程度にやわらかくなるまで茹でる。
②冷まして水気を取り、包丁で刻む。ねばりが出てきたらみそをのせ、混ぜながら包丁で切りあえる。

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