【ぱんと郷土料理と】さんまのポーポー焼き(福島)

【ぱんと郷土料理と】さんまのポーポー焼き(福島)

ぱんと郷土料理と

「どこの生まれですか」そんな問いのむこうに思い浮かぶもの、それは日本各地の食卓。情報網や物流が発達して、各地の食べものを知り、取り寄せることがかんたんにできるようになった今でも、まだまだ知られていない郷土料理があります。その土地ならではの食材を、そこに伝わる知恵と工夫で調理した、懐かしい香りのする料理の数々。ここでは、そんな郷土料理をパンと一緒に味わう旅をしてみましょう。意外な組み合わせとおいしさに出会えるかもしれません。

今回ご紹介するのは「さんまのポーポー焼き」。福島県いわき市には七つの浜があり、その周辺には多くの漁港があります。一年中さまざまな魚が水揚げされていますが、特に秋に盛んなのがさんま漁です。太平洋沿岸の漁村ではさんまを使った郷土料理が多く作られていますが、いわきでよく食べられているのがこの「ポーポー焼き」。さんまをミンチにして、ハンバーグのように丸めて焼く料理です。さんまを炭で焼くときにサンマの油で火がポーポーと燃えあがることからこの名が付いたとも言われています。もともとは漁師さんが船上で新鮮なさんまを使って作っていたそうです。

近年、日本近海でさんまは不漁続きです。温暖化の影響で海流が変わった、あるいは周期的な変動、さまざまに原因が推測されていますが、はっきりしたことはわかりません。秋の味覚であるさんまがとても貴重で贅沢なものになってしまったのは残念ですが、いつかまた大きくなったさんまに会えるまで待つしかないですね。さんまのポーポー焼きは豊漁で余ったさんまを加工したことから始まっていると思いますが、焼いて食べるには小さすぎるさんまの食べ方としてもおすすめです。ぜひスダチを絞って、秋のさんまの風味を味わいましょう。

さんまが豊漁だった時代の、漁村の家庭料理ですね

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レシピ「さんまのポーポー焼き」

小さいさんま、あじやいわしなど他の青魚でもおいしくできます。

<材料>7~8個
さんま 2尾(小3~4尾)
長ネギ 1/2本
生姜 1片
味噌 大さじ1
片栗粉 大さじ1
サラダ油 適量

<作り方>
①さんまは頭と骨、内臓をとって開き、皮を剥ぐ。
②①のさんまを包丁でよく叩いて刻む。ネギ、生姜、味噌も一緒によく叩きながら切り和える。
③片栗粉を最後に加えて7~8等分にし、ハンバーグ型にまとめる。
④フライパンにサラダ油を薄くひき、③を入れて弱火で両面に焼き目がつくまで焼く。

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