「霜降」のきのこぱん【シリーズ:二十四節気を楽しむぱん】

「霜降」のきのこぱん【シリーズ:二十四節気を楽しむぱん】

二十四節気を楽しむ 一膳の手まるめぱん

1年を太陽の動きに合わせて24の期間に分け、季節を表した「二十四節気」。太陰太陽暦(旧暦)では季節を表すために用いられていました。
「じゃぱん」では二十四節気(にじゅうしせっき)を区切りとし、その時期に旬を迎える食材を使った「手まるめぱん」を連載でお届けします。
シンプルなレシピでつくる、手のひらサイズの手まるめぱん。日本の四季を感じる日本ならではのパンを、気軽に楽しみませんか?

「霜降」10月23日ごろ

二十四節気の第18節にあたり、10月23日ごろ、および「立冬」までの期間をさします。朝晩の冷え込みが厳しくなり、日の入りが早くなったことを実感します。秋がいっそう深まり、初霜の知らせが聞かれるのもこのころで、山は紅葉色に染まり始めます。
冬服や暖房器具の準備、農家は霜対策など、そろそろ本格的な冬支度を始めます。この日から立冬までの間に吹く寒い北風を『木枯らし』と言います。夜の時間がぐっと長くなるので、秋の夜長として読書などを楽しむ季節とも言われています。

きのこは野菜ではなく菌類です

きのこはハウスなどの施設栽培が主流になって一年中店頭で見かけるようになりましたが、自生するきのこの旬は秋または梅雨時期です。きのこの種類によっても少しずつ異なりますが、たとえば椎茸や松茸、しめじの旬は秋。でも松茸は人工栽培が難しいので今でも貴重な自生のものを探して食することになります。

野菜売り場に並んでいるきのこですが、じつは植物ではなく「菌類」に分類されています。同じ仲間にはカビや酵母などがあげられます。見た目は植物に近いのですが、決定的に違うのは、成長に必要な栄養の取り方です。植物は光合成で栄養を作り出すのに対して、キノコは別の動植物などの有機物を栄養源にして成長します。天然のきのこは倒木などに生えてそれを分解しながら成長するわけですね。

きのこはビタミン・ミネラル・食物繊維などの栄養を豊富に含んだ低カロリーの食品です。不溶性食物繊維が多く含まれていて、胃や腸の中で水分を吸収して膨らみ腸の働きを活発にさせます。便秘の解消につながり、デトックス効果もあります。また、カリウムが豊富に含まれているため、体内の塩分濃度の調節効果もあり、高血圧や動脈硬化の予防にもなります。筋肉や血液、細胞にとって重要な「必須アミノ酸」も多く含まれています。免疫の抗体としても働き、神経伝達にも深く関わっています。ぜひ積極的に食べたい食材です。

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「霜降」のきのこぱんのつくりかた

今回は、いつものパン生地にきのことチーズを包んだぱんを作ってみます。マフィンカップなどに入れてから発酵させるとちょっと楽しい姿に。お子さん用に、またはちょっとしたプレゼントなどにも喜ばれますよ。

シンプルで簡単!手のひらサイズのパンは1カップの小麦粉で。

ふつう手ごねでもホームベーカリーでも、1斤の食パンを焼くには300g前後の小麦粉を使います。でも一人暮らしではちょっと多いし、発酵にも時間がかかりそう…と思う方、1カップ=100gの小麦粉で小さな「手まるめぱん」を作ってみませんか?材料と作り方はとてもシンプルです。

<材料>3個分

  • パン用小麦粉(強力粉)1カップ(100g)
  • 塩 小さじ1/4
  • 砂糖 小さじ1
  • 白神こだま酵母 小さじ1/2
  • 酵母を溶かす水 小さじ1(35℃にする)
  • 生地に加える水 55cc前後(30~35℃にする)
  • きのこ  1/2パックくらい
  • サラダ油 適量
  • 塩・コショウ 適量
  • シュレッドチーズ 適量

※お使いになる小麦粉によって水分量が変わります。詳しくは小麦粉の商品説明書にてご確認の上、当レシピをご参照ください。

<作り方>

    1. 白神こだま酵母は、35℃くらいのぬるま湯小さじ1に浸して5分ほどおく。
    2. 小麦粉に塩と砂糖を混ぜておく。【1】の酵母をあわせて、生地の様子を見ながら水を加え、生地がなじんだら耳たぶくらいの固さになるよう手のひらで温めながら捏ねていく。
    3. 乾燥しないように大きめのボウルなどに入れて30℃前後に保温し、大きさが2.5倍、指でおして生地が戻ってこなくなるまで発酵させる。
    4. きのこは適当な大きさにほぐしてサラダ油で炒める。塩とコショウ少々で味をととのえ、冷ましておく。
    5. 生地のガスを抜くように軽く丸め15分ほど休ませる。3等分して平たく伸ばし、適量のチーズときのこソテーを包んで丸く形を整え、マフィンカップなどにとじ目を下にして入れて天板に並べ、暖かいところで30分ほど発酵させる。
    6. 霧吹きで水をかけて、190~200℃に予熱したオーブンで10~15分焼く(高さが出るので、上部が焦げそうな場合はアルミホイルなどをのせる)。24japanese-season-kinoko-bread-3

おわりに

きのこぱんの作り方はいかがだったでしょうか?紙のマフィンカップがなくても、プリン型などでもできます。生地が型から少しはみ出るくらいのほうが、焼きあがった時の姿がかわいいです。秋の夜長にぜひお試しください。24japanese-season-kinoko-bread-4