【一汁一ぱんのすすめ】大根おろしとかんずりの味噌汁

【一汁一ぱんのすすめ】大根おろしとかんずりの味噌汁

一汁一ぱん、味噌汁のすすめ

味噌汁は日本人の心といえる食べもの。朝の一杯の味噌汁は活力を与えてくれますね。このシリーズでは、パン派の方にもおすすめのアレンジ味噌汁をご紹介します。

今回は、冬の味噌汁には定番の大根を使った味噌汁です。霜が降りる前の晩秋の大根は、軟らかくしっとりとして、煮るととろけるような味わいです。乱切りの大根と、仕上げに大根をおろしを加えた「大根づくし」の味噌汁。カブなどでも同じようにできます。好みでなめこなど加えてもおいしいです。

さらに、「かんずり」という新潟の伝統調味料でコクのある辛みと風味を加えています。

アレンジ味噌汁におすすめの「かんずり」

豪雪地帯の新潟県妙高市特産の「かんずり」は塩漬けのトウガラシを雪の上にさらしてあくを抜き、柚子や糀などと混ぜて発酵させたもの。唐辛子に体を温める効果があることから、冬になると各農家で「手前かんずり」がつくられていたそうです。それは唐辛子を鉢ですりつぶして塩を混ぜ、各家庭によって味噌を加えたりしただけのものでしたが、鍋物に入れたり、舐めたりと、さまざまな使われ方をしてきました。

上越地域では、今でも各家庭に「かんずり」が常備されているそうで、鍋料理はもちろん、夏のスタミナ料理にも重宝されています。他にも、ラーメンや味噌汁に入れたり、カラシの代わりに納豆に入れたり、ワサビのように刺身に直接つけたり、食べ方は実にさまざまです。

「かんずり」は漢字で「寒造里」と書き、「寒づくり」が由来です。冷え込みが厳しい時期に自家製の唐辛子を雪の上で「寒ざらし」にすることで甘みを引き出す、独特の製法で作られています。標高2,454メートルの妙高山のふもとに広がる妙高市で、唐辛子に天然の海水塩をまぶして2カ月間ほど塩漬けにします。アクが出た塩漬け唐辛子を厳冬期に3~4日間雪にさらすことで、雪が塩分を吸って唐辛子の甘みが増します。こうして「寒ざらし」を経た唐辛子を洗った後に粉砕し、海水塩とすりつぶした柚子、かんずり用の米糀を混ぜていきます。このように糀を入れた発酵唐辛子は世界的にもとても珍しいのだそう。さらに柚子を加え、樽に入れて3年もの間発酵、熟成させるのですが、自然状態でじっくり寝かせることで発酵が進んで保存性が高まり、香り成分や味も安定してまろやかになります。そして最後、初雪が降り始める頃に樽に入った状態で「寒ざらし」を行い、味を引き締めてできあがりとなります。

3年間もの長い期間寝かせた「かんずり」は、見た目は真っ赤ですが、辛さの中にも深い甘みを感じる不思議な味わいです。ぜひ味噌汁に加えて楽しんでみてください。

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レシピ「大根おろしとかんずりの味噌汁」

乱切りの大根をとろけそうなくらいよく煮て、仕上げに大根おろしをたっぷり加えてさっと煮た、大根ずくしの味噌汁。おろしが入るので味噌はやや多めに、食べる時にかんずり少々を加えると大変おいしいです。

<材料>2人分
大根 100g +おろし分100g
だし汁 360cc
味噌 大さじ1強
薬味ネギ 適量
かんずり 適量

<作り方>
①大根100gは一口大の乱切りに、残りの100gはおろしてざるに入れ、自然に水を切る。
②だし汁で乱切りの大根を煮る。大根が軟らかくなったら味噌を溶き入れ、大根おろしを加えてさっと一煮立ちしたら火を止める。
③器に盛って薬味ネギ、かんずりを適量のせていただく。

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