【ぱんと郷土料理と】いかにんじん(福島)

【ぱんと郷土料理と】いかにんじん(福島)

ぱんと郷土料理と

「どこの生まれですか」そんな問いのむこうに思い浮かぶもの、それは日本各地の食卓。情報網や物流が発達して、各地の食べものを知り、取り寄せることがかんたんにできるようになった今でも、まだまだ知られていない郷土料理があります。その土地ならではの食材を、そこに伝わる知恵と工夫で調理した、懐かしい香りのする料理の数々。ここでは、そんな郷土料理をパンと一緒に味わう旅をしてみましょう。意外な組み合わせとおいしさに出会えるかもしれません。

今回ご紹介するのは「いかにんじん」。にんじんとするめいかで作る実にシンプルな福島県の郷土料理です。いかにんじんは、するめいかとにんじんを細切りにし、醤油とみりんの甘辛いたれに漬けたおかずで、100年以上前から食べられているとも言われています。ご当地福島では焼きそばの具にしたり、かき揚げや炊き込みご飯などにアレンジしたりと、日常的に食されています。スナック菓子の味付けにもなったり、地域の人々に愛されている味です。

似たような料理に北海道の「松前漬」がありますが、松前漬には昆布や数の子が入っているのに対し、いかにんじんには入っていません。松前漬がいかにんじんのルーツ、あるいはその逆であるという説もあります。それぞれがアレンジされていく中で、昆布の入ったいかにんじんが作られたり、いずれにしても新鮮な食材が手に入りにくい冬の保存食として伝えられてきました。

郷土料理は、その土地でたくさん収穫される食材を使ったものですが、昨今するめいかは貴重品になりつつあります。海水温の変化、ロシア海域での操業停止など、年々いかが獲れなくなってきているのです。それでもお正月にはするめいか、ということで買いそろえる方も多くいらっしゃることと思います。切って漬け込むだけでおいしいいかにんじん、ぜひこの時期に作ってみてくださいね。

クリームチーズ、キャベツなどとサンドウィッチに

おすすめのぱん「白神くるみフランス」

白神ソフトフランスに有機くるみをたっぷり練りこんだ香ばしさ抜群のシンプルパンです。オーブンでローストする事で、くるみの香ばしさを最大限引きだしています。生地をこねる際、こね始めにくるみを配合し生地全体になじませ、どこから食べてもくるみの芳醇な香りとコクが感じられ、さらに後からも入れる事でくるみの食感もしっかり味わえるように仕上げました。トーストすると香ばしさがより一層引き立ちます。もちもちの生地にカリカリのくるみが絶妙なアクセントの毎日食べたいシンプルながらもこだわりの逸品です。
「白神こだま酵母」サラのこだわりパン/サラオンラインショップ

レシピ「いかにんじん」

お正月の金時人参が残っていたら、赤くきれいないかにんじんを作ることができます。するめいかがなかったら、お好み焼きなどに使う「切りいか」として売られているものでもできます。ちなみに「さきいか」はするめいかを炙って延ばしてから裂いたもので、さきいかではいかにんじんはおいしくできないようです。丸のままの「するめいか」または「切りいか」で作ってみてください。

<材料>3~4人分
にんじん 1本
するめいか 小1枚~大1/2枚
醤油 大さじ2
みりん 大さじ2
酒 大さじ1
<作り方>
①にんじんは長さ5cm、2mmくらいのマッチ棒状に切る。するめいかは胴の部分をハサミでにんじんと同じくらいの太さ、長さ5cmくらいに切る。
②するめはさっと洗ってざるにあげておく。調味料を小鍋に入れていったん沸騰させてアルコール分をとばし、するめを加えてよく混ぜる。
③にんじんを②に加えてよく混ぜ、ポリ袋や平たい容器に入れて冷蔵庫で半日ほど寝かせて味をなじませる。

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