「清明」の白ぱん【シリーズ:二十四節気を楽しむぱん】

「清明」の白ぱん【シリーズ:二十四節気を楽しむぱん】

二十四節気を楽しむ 一膳の手まるめぱん

1年を太陽の動きに合わせて24の期間に分け、季節を表した「二十四節気」。太陰太陽暦(旧暦)では季節を表すために用いられていました。
「じゃぱん」では二十四節気(にじゅうしせっき)を区切りとし、その時期に旬を迎える食材を使った「手まるめぱん」を連載でお届けします。
シンプルなレシピでつくる、手のひらサイズの手まるめぱん。日本の四季を感じる日本ならではのパンを、気軽に楽しみませんか?

「清明」4月4日ごろ

「清明」は4月4日ごろから「穀雨」までの約2週間の季節で、春先の清らかな気候、命あるものが生き生きと活動する様子を表した「清浄明潔」という語を略したもの。桜の花が満開を迎え、若葉が芽生え、鳥が歌う、命が輝くシーズンでもあります。暦の上では春も後半になり、春と夏とが入れ替わっていく節目です。一年を一日に例えると早朝にあたるこの季節は、新学期や新年度になる時でもあり、今年一年を見通して予定を考えるようにするとよいと言われています。

いちごの旬はいつ?

24japanese-season-white-bread2016-112月ごろからお店に並び始める苺。ちょうど清明のころ、3月下旬から4月になると価格も手頃になってくるので、そのころが旬だと思っている方も多いかもしれませんが、ほんとうは4月に花が咲いて、5月くらいから初夏にかけて収穫される植物なのです。

本来の旬でない冬の時期から苺が収穫できるようになったのは、クリスマスや年末末年始などの需要の多い時期に合わせて温室栽培する技術が作られてきたからです。生産者の方の努力はすばらしいと思われる一方で、この時期に苺を流通させるためには、温室などの施設を使い、照明や暖房で人工的に日照時間や温度をコントロールするなど多くのエネルギーが使われており、環境への負荷を考えると、すこしばかり複雑な気持ちにもなりますね。

苺はデリケートな作物なので、屋外の露地栽培で見た目のよいものを作ることは難しく、最近では一般市場では少なくなってしまいましたが、近所の直売所やファーマーズマーケットなど、直接生産者の方から買うことができる機会があったら、ぜひ一度味わってみていただきたいものです。冬から春の苺とは少し違う、野性の味わいが感じられると思います。

「清明」の白ぱんのつくりかた

今回は、焼き色をつけない白ぱん作ってみます。ふんわり柔らかく食べやすいので、どなたにでも喜ばれるやさしいぱんです。アニメ『アルプスの少女ハイジ』に出てくるようにくぼみをつけてかわいらしく焼き上げ、苺とクリームをはさんで仕上げてみます。

シンプルで簡単!手のひらサイズのパンは1カップの小麦粉で。

ふつう手ごねでもホームベーカリーでも、1斤の食パンを焼くには300g前後の小麦粉を使います。でも一人暮らしではちょっと多いし、発酵にも時間がかかりそう…と思う方、1カップ=100gの小麦粉で小さな「手まるめぱん」を作ってみませんか?材料と作り方はとてもシンプルです。

<材料>3個分

  • パン用小麦粉(強力粉)1カップ(100g)
  • 塩 小さじ1/4
  • 砂糖 小さじ1
  • 白神こだま酵母 小さじ1/2
  • 酵母を溶かす水 小さじ1(35℃にする)
  • 生地に加える水 55cc前後(30~35℃にする)
  • 生クリーム(+クリーム用砂糖) 適量
  • 苺 5~6粒

※お使いになる小麦粉によって水分量が変わります。詳しくは小麦粉の商品説明書にてご確認の上、当レシピをご参照ください。

<作り方>

  1. 白神こだま酵母は、35℃くらいのぬるま湯小さじ1に浸して5分ほどおく。
  2. 小麦粉に塩と砂糖を混ぜておく。【1】の酵母をあわせて、生地の様子を見ながら55cc前後のぬるま湯を加え、耳たぶくらいの固さになるよう手のひらで温めながら捏ねていく。
  3. 乾燥しないように大きめのボウルなどに入れて30℃前後に保温し、大きさが2.5倍、指でおして生地が戻ってこなくなるまで発酵させる。
  4. 生地を3等分にして10分ほど休ませる。丸く形を整えたら箸などで真ん中を高さの半分くらいまでぎゅっと押しつけてくぼみをつける。天板に並べ、暖かいところで30分~1時間ほど発酵させる。
  5. 霧吹きで表面を湿らせたら小麦粉(分量外)を茶こしでふって、180℃に予熱したオーブンを150℃に下げて15分くらい焼く。
  6. 生クリームは商品の説明に沿って砂糖を加えて泡立て、いちごとともにぱんに挟む。
    ※オーブンによって焼き色の付き方が変わるので、様子をみてアルミ箔をかぶせるなど調節してください。

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おわりに

基本の白ぱんの作り方はいかがだったでしょうか?柔らかい仕上がりなので、中に具を挟んでも食べやすくさまざまに応用できます。ぜひ白ぱんを焼いて、春の果物や野菜をおいしく味わってみてくださいね! 24japanese-season-white-bread2016-3