「小満」のそら豆フォカッチャ【シリーズ:二十四節気を楽しむぱん】
二十四節気を楽しむ 一膳の手まるめぱん
1年を太陽の動きに合わせて24の期間に分け、季節を表した「二十四節気」。太陰太陽暦(旧暦)では季節を表すために用いられていました。
「じゃぱん」では二十四節気(にじゅうしせっき)を区切りとし、その時期に旬を迎える食材を使った「手まるめぱん」を連載でお届けします。
シンプルなレシピでつくる、手のひらサイズの手まるめぱん。日本の四季を感じる日本ならではのパンを、気軽に楽しみませんか?
「小満」5月20日ごろ
「小満」は5月20日ごろから6月5日ごろの「芒種」までの季節を言います。立夏から数えて15日目ごろ、陽気がよくなって天地に命が満ち満ちてくる季節を表しています。爽やかな五月晴れの日もあれば、ぐずつく五月雨の日も。どちらも命を育む、天からの贈り物です。
徐々に暑さも加わり、麦の穂が育ち、山の草木がいっそう青く生い茂り、花が咲き乱れます。梅の実が成りはじめ、西から走り梅雨がみられ始めるころです。
初夏の味 そら豆
そら豆は、西南アジアから北アフリカが原産のマメ科の野菜です。さやが空を仰ぐように上に伸びることから「空豆」と書きます。青果としてのそら豆の出荷は4~5月頃が最盛期で、「四月豆」や「五月豆」「雪割豆」などの呼び名もあるそうです。またさやの内側の綿毛が蚕のまゆに似ていることから漢字で「蚕豆」と書くことがあります。
塩ゆでするか、さやごと焼いて、中の豆をそのまま食べますが、揚げて塩をふったものは「いかり豆」と呼ばれ、豆菓子として売られています。世界的には煮物や炒め物、スープなどに広く用いられ、アジアでは豆板醤の原料として多く利用されています。
ゆでる時は、さやから豆を取り出し、黒い芽のところに包丁で切込みを入れます。沸騰した湯に塩少々を入れて2分ほど茹で、冷めたら皮を剥きます。
「小満」のそら豆フォカッチャのつくりかた
今回は、いつものパン生地からフォカッチャを作ってみます。オリーブオイルを後から塗る他は同じ作り方でできます。よくお店ではフォカッチャの穴にオリーブの実を埋め込んだりしますが、そら豆を埋め込んだフォカッチャもかわいいものです。
シンプルで簡単!手のひらサイズのパンは1カップの小麦粉で。
ふつう手ごねでもホームベーカリーでも、1斤の食パンを焼くには300g前後の小麦粉を使います。でも一人暮らしではちょっと多いし、発酵にも時間がかかりそう…と思う方、1カップ=100gの小麦粉で小さな「手まるめぱん」を作ってみませんか?材料と作り方はとてもシンプルです。
<材料>2個分
- パン用小麦粉(強力粉)1カップ(100g)
- 塩 小さじ1/4
- 砂糖 小さじ1
- 白神こだま酵母 小さじ1/2
- 酵母を溶かす水 小さじ1(35℃にする)
- 生地に加える水 55cc前後(30~35℃にする)
- そら豆 10~12個
- オリーブオイル 適量
- 粗塩 適量
- ローズマリーなどのドライハーブ 適量
※お使いになる小麦粉によって水分量が変わります。詳しくは小麦粉の商品説明書にてご確認の上、当レシピをご参照ください。
<作り方>
- 白神こだま酵母は、35℃くらいのぬるま湯小さじ1に浸して5分ほどおく。
- 小麦粉に塩と砂糖を混ぜておく。【1】の酵母をあわせて、生地の様子を見ながら55cc前後のぬるま湯を加え、耳たぶくらいの固さになるよう手のひらで温めながら捏ねていく。
- 乾燥しないように大きめのボウルなどに入れて30℃前後に保温し、大きさが2.5倍、指でおして生地が戻ってこなくなるまで発酵させる。そら豆を茹でて皮を剥いておく。
- 生地のガスを抜くように軽く丸め15分ほど休ませる。2等分して丸く形を整えたら台に粉をふり、生地の上部にも軽く粉をふってめん棒で1cmくらいの厚さに薄くのばす(めん棒がない場合は手でのばしてもよい)。
- 指で押して5~6個のそら豆を埋め込む。天板に並べ、暖かいところで30分~1時間ほど発酵させる。
- 190~200℃のオーブンで15~20分くらい焼く。焼きあがったら熱いうちにオリーブオイルを塗って粗塩、ローズマリーをふる。
おわりに
フォカッチャの作り方はいかがだったでしょうか?ピザのように生地にオリーブオイルを入れると風味よく仕上がります。先にオイルを塗って焼くとパリッと香ばしく、後からオイルを塗るとヘルシーな仕上がりです。ローズマリーがなかったら粗挽きの黒コショウなどでもおいしいです!