【ぱんと郷土料理と】貝焼き味噌(青森)
ぱんと郷土料理と
「どこの生まれですか」そんな問いのむこうに思い浮かぶもの、それは日本各地の食卓。情報網や物流が発達して、各地の食べものを知り、取り寄せることがかんたんにできるようになった今でも、まだまだ知られていない郷土料理があります。その土地ならではの食材を、そこに伝わる知恵と工夫で調理した、懐かしい香りのする料理の数々。ここでは、そんな郷土料理をパンと一緒に味わう旅をしてみましょう。意外な組み合わせとおいしさに出会えるかもしれません。
今回ご紹介するのは青森の郷土料理「貝焼き味噌」。もともとは漁師料理で、陸奥湾でとれる大きなホタテの貝殻を鍋代わりに、だし汁で味噌を溶き、ホタテ、長ネギなどを入れて卵でとじた青森ではとても馴染み深い料理です。
ホタテの貝殻は使い込むほどにだしが出るとされ、各家庭で食器代わりのホタテの貝殻を見かけることもよくあるとか。江戸時代の料理書には貝を煮て卵を加える「卵貝焼き」と味噌をだしで溶いて貝を煮る「味噌貝焼き」の両方が出てきており、その二つが合わさったレシピが伝わっているようで、卵が貴重だった時代は、風邪をひいた時や体調がすぐれない時の栄養食として食されていたそうです。
ごはんによくあう料理ですが、タイムなどのハーブを加えて少し薄味に仕上げると、パンのおかずとしてもおいしいです。
レシピ「貝焼き味噌」
自然な甘みのホタテ貝柱を卵でふんわりととじたやさしい味わいの一品です。
<材料>2人分
ホタテ貝柱 2~3個
小ねぎ 1本
■調味料 貝殻の大きさで調節します
だし汁 適量
味噌 小さじ1
みりん 小さじ1/2
塩 ひとつまみ
①ホタテは殻付きのものを手に入れた場合は、よく洗ってから開き、貝柱を取り出す。貝ひもは別途湯通しすると食べられる。
②貝柱は一口大に切る。小ねぎは小口切りにし、溶きほぐしたたまごに加えて混ぜる。
③貝殻に半分ほどのだし汁、貝柱、みそ、みりん、塩を入れて混ぜる。
④予熱したオーブントースターに③を入れ、3~5分間あたため、軽く煮立ったら②の半量を加える。
⑤たまごが固まりはじめたら残りを加え、2~3分焼く。
※他にエビなど加えてもおいしい。ホタテの殻が手に入らない場合は小さめの耐熱皿で作ることもできる。
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