ベーグルの発祥はポーランド?ポーランドのパンとパンを使った料理まとめ

ベーグルの発祥はポーランド?ポーランドのパンとパンを使った料理まとめ

もちもちの食感がやみつきになるベーグル。卵やバターを使っていないため、他のパンに比べてカロリーや脂肪分が低く、食べ応えがありながらもヘルシーという特徴があります。

こうした特徴から、ベーグルは女性を中心に絶大な人気を獲得。今やベーグル専門店も珍しくないほどです。しかし、その発祥にポーランドが関わっているかもしれない…ということはご存じでしょうか?

今回は、ベーグルのルーツであるポーランドのパン、そしてパン料理をご紹介します。

ベーグルの発祥は?

ベーグルは現在、ニューヨークを中心にポピュラーなパンとなっていますが、その発祥がどこなのかについては諸説あります。特に有名な2つの説をご紹介しましょう。

【ポーランド発祥説】

14世紀頃から、ポーランド西部の都市クラクフで「オブバジャネック」と呼ばれるリング型のパンが食べられていたことが起源だ、とする説です。

【ウィーン発祥説】

17世紀にオスマントルコ軍からウィーンを守ったポーランド王ヤン3世のために、ウィーンに住むユダヤ人パン職人がリング型のパンを献上したことが起源だとする説です。

いまだにどちらが正しいのかははっきりしていませんが、いずれにせよベーグル発祥にはポーランドが関わっているといえそうですね。

ベーグルの歴史

cooking-together-using-poland-of-bread-and-bread-2ポーランドは16世紀~18世紀の間、ヨーロッパ最多のユダヤ教徒人口を誇っていました。そのため、ベーグルはポーランドにおけるユダヤ人文化の中で成長していったとされています。当時は高級品だったベーグルも、19世紀に入ると家内工業で生産され、徐々に庶民の食べ物へと変化していきました。

20世紀になり、第2次世界大戦で迫害されたユダヤ教徒はニューヨークへ移住し始めました。そしてニューヨークに移り住んだユダヤ教徒によって広まっていったベーグルは、現代のヘルシーブームに乗り、世界へ普及していったのです。

ベーグルは今や日本でも知名度の高いパンとなっていますが、ニューヨークのものと比べると小さめで、食感もややソフト。日本人の口に合うように進化してきたようです。また、日本では明太チーズ味や抹茶味など、和風の独自アレンジが加えられています。

ポーランドのパン事情

ベーグルの歴史の大半を担っているポーランドでは、現在どのようなパンが食べられているのでしょうか?
ポーランドのパンには、切って食べる大きめのパン「フレプ」と、小さめの丸いパン「ブウカ」の2種類があります。

「フレプ」には、丸や楕円、四角などのさまざまな形があり、小麦やライ麦入りのもの、はちみつ入り、黒パンなど種類が豊富です。

「ブウカ」にも、白パンやグラハム入りのもの、ナッツやポピーシードをトッピングしたものなどがあります。パンを主食とするポーランドだからこそ、バラエティに富んでいるのかもしれませんね。

ポーランドのパン料理

パンの種類もさることながら、ポーランドにはパンを使った料理もたくさんあります。

ザピエカンカ

フランスパンのようなパンに、のこや野菜などをソテーしたものと、チーズをたっぷり乗せて焼き上げたピザトーストのような料理です。チーズがとろとろに溶けてボリュームたっぷり。地元の方にも観光客にも大人気の一品です。

ポンチキ(ポンチュキ)

cooking-together-using-poland-of-bread-and-breadポンチキは、ジャムなどのフィリングが入ったポーランド風揚げドーナツ。甘くこってりとしたスイーツです。

このポンチキ、実はキリスト教と関係があるパン。
キリスト教では復活祭の前に四旬節という期間があり、2月から3月にかけての46日間、断食や質素な生活を送るという習慣があります。ポーランドでは、四旬節の前にある謝肉祭(カーニバル)でポンチキを食べると、健康で幸せになれるという言い伝えがあるのです。

おわりに

日本でも人気のベーグルですが、その誕生のカギはポーランドにありました。ベーグル以外はなかなか日本で見かけることのないポーランドのパンやパン料理。もしかしたら、近所のパン屋さんやレストランのメニューに紛れ込んでいるかもしれませんね。パン屋さんを訪れたときには、ぜひポーランドのパンも探してみてください。