レープクーヘンやクグロフなど、クリスマス時期のパン屋さんに並ぶお菓子

レープクーヘンやクグロフなど、クリスマス時期のパン屋さんに並ぶお菓子

クリスマスシーズンは、普段は食べない特別なものが多く見られるようになる季節です。パン屋さんにもたくさんのお菓子やパンが並び始め、クリスマスを楽しむための雰囲気が感じられますよね。そこで今回は、パン屋さんに並ぶクリスマスならではのお菓子をご紹介します。

なぜクリスマスには特別なお菓子が登場するの?

クリスマスはもともと古代ローマの冬至や収穫祭を祝う日でしたが、キリスト教の布教によってだんだんと意味が変わり、イエス・キリストの降誕を祝う日として大切にされるようになったといわれています。

特に、ヨーロッパのキリスト教信者にとってクリスマスは特別な日です。日本では多くの人がクリスマスやクリスマス・イブのみをイベントの日としていますが、キリスト教徒が多い欧米では、クリスマスの4週間前からお祝いの準備を始める場合もあります。そのため、冬でも長く日持ちする特別なお菓子が作られるのです。

レープクーヘン(ジンジャーブレッド)

レープクーヘンとは、蜂蜜と香辛料を使った、ドイツの伝統的なクッキー。オレンジピールやチョコレート、アーモンドを混ぜて作られることもあります。ドイツでは食用の他、飾りつけの意味でも作られるお菓子です。また、童話「ヘンゼルとグレーテル」に出てくるお菓子の家は、レープクーヘンでできているといわれています。

レープクーヘンと類似しているお菓子に、イギリスでよく食べられるジンジャーブレッドがあります。ジンジャーブレッドはその名の通り生姜の入ったクッキー。クリスマスはもともと冬至のお祝いや無病息災を願うという意味もあったとされているため、体が温まる香辛料や生姜が伝統的に使われているのでしょう。

そしてクリスマスシーズンになると、欧米では絵や文字が書かれた大きなレープクーヘンやジンジャークッキーがあちこちに飾られ、クリスマスを待つ街全体を楽しく彩るのです。

クグロフ

クグロフは、オーストリアやドイツの伝統的なお菓子。マリー・アントワネットにも好まれたといわれています。

クグロフ型と呼ばれる帽子のような形で、背が高いことが特徴です。アーモンドや、キルシュヴァッサーという蒸留酒に漬けた干しブドウなどが入っており、食べるときには粉砂糖がかけられます。

とてもシンプルなお菓子ですが、最近では紅茶の葉を混ぜたクグロフや、フルーツやチョコレートをトッピングしたクグロフも見られます。中には、抹茶を生地に混ぜた和風クグロフも。さまざまなバリエーションを楽しめるお菓子です。

クリスマスにおなじみのクリームたっぷりのケーキなどが苦手な方は、ぜひクグロフを試してみてください。

ベラベッカ

ベラベッカは、蒸留酒に漬け込んだ洋ナシやドライフルーツ、ナッツ類がぎっしりつまっている、フランスのアルザス地方のお菓子です。イースト生地を使っているためパンとされていますが、つなぎ程度にしか使われていないため、お菓子とされる場合もあります。

かなり具だくさんで、スライスしながら食べられますが、時間が経つにつれ濃厚な味わいに変化していくことが大きな特徴です。アルコールの風味を感じられる、大人向けのお菓子といえるでしょう。

パンドーロ

パンドーロはイタリア、ヴェローナ地方のお菓子で、先が丸い円錐形が特徴的です。バターと卵による黄金色のスポンジの中には、他のお菓子とは異なりドライフルーツやナッツなどが入っておらず、生地の味を楽しめます。また、切り分ける前には粉砂糖が入った袋にパンドーロを丸ごと入れ、全体にまんべんなく粉砂糖がまぶされるように振るという独特の食べ方をします。

おわりに

クリスマスならではのお菓子は、季節の流れを感じさせてくれたり、大切な人との時間をより豊かなものにしてくれたりするものです。

伝統があるクリスマスのお菓子は、昔ながらのシンプルな食べ方や、現代風、日本風にアレンジされたものまで豊富な種類があります。今度のクリスマスは、今回ご紹介したお菓子を食べながらクリスマスを待ってみてはいかがでしょうか?それもまた、クリスマスシーズンを楽しむ1つの方法です。