クラストやクープ、ブーランジェリーとは?気になる用語を解説!基本のパン用語集

クラストやクープ、ブーランジェリーとは?気になる用語を解説!基本のパン用語集

皆さんはクラストやクープ、ブーランジェリーなどのパン用語をご存じですか?パン好きであれば、レシピやパン屋さんなどでこのようなパン用語を目にして気になったことがあるのではないでしょうか。

ここでは、パン作りにもパンを買う時にも知っているとさらにパンを楽しめる、パン用語をご紹介します。

知っていると自慢できる!?基本のパン用語集

まず、パンを作る際にクラストやクープ、ベーカーズなど知っているとちょっと自慢できるパン用語をご紹介します。

クラスト、ヒール、クラム

クラストとは皮や表皮とも呼ばれ、パンの表面にある焼き色の付いている部分を指します。食パンの耳にあたる部分で、焼きたての香りにつながる部分です。かかとを意味するヒールと呼ばれることもあります。
クラストとは逆に、内側の柔らかい部分をクラムといいます。

クープ

クープとは、パンを焼く前に生地の表面に入れる切れ目のことを指します。フランスパンなどに見られる表面の模様は、クープによるものです。切れ目を入れることで見た目が美しくなる他、火の通りも良くなりパンが均等に焼き上がります。

ベーカーズ

ベーカーズとは、ベーカーズパーセントともいいます。パンの小麦粉の重量を100%として、その他の材料を小麦粉に対しての%で表記する方法をベーカーズパーセントと呼ぶのです。
ベーカーズパーセントを理解していれば、材料の分量を変えてパンを作ることができます。
小麦粉が100%、その他の材料がそれに対する%で表記されるため、すべての材料の合計は100%以上になります。

グルテン

小麦に含まれるタンパク質のこと。小麦粉に水を加えてこねあげると、粘りと弾力のあるグルテン膜(風船のゴムみたいなもの)が形成されます。パン生地の発酵過程において、このグルテン膜に酵母が発生した炭酸ガスが包まれ、風船のように膨らんでパンのボリュームが増し、ふんわりとしたパンを作ることができます。

酒種(さかだね)

あんパンなどによく使われています。精白米を蒸したものに麹を混ぜ合わせ、さらに空気中の酵母と乳酸菌を同時に繁殖させて作ったもので、甘酒のようなふんわり甘い香りが特徴です。

サワー種(さわーだね)

ドイツパンなどライ麦パンを作るための発酵種のことを言います。小麦粉やライ麦粉と水を練り合わせ、さらに粉や空気中に浮遊する酵母、乳酸菌や酢酸菌を取り込みながら発酵させたもので、強い酸味と独特の風味が特長です。

ルヴァン

フランス語で「発酵種」という意味です。
余分なものを使用せず、小麦粉(全粒粉やライ麦)に付着している菌を培養させた「発酵種」。小麦本来の酸味、甘み、香りが特徴です。

直焼き(じかやき)

パン生地を焼く際に、パンケースや天板に乗せたりせず、窯の火床(ハース)に直接置いて焼くことです。直焼きされたパンを「ハースブレッド」と呼んだりします。フランスパンやパン・ド・カンパーニュなど、リーンな配合のパンはほとんどが直焼きで作られています。

窯伸び(かまのび)

オーブンスプリングとも言います。オーブンに入れてからすぐにパン生地の発酵が進み、20~30%程度膨張することを釜伸びと言います。この窯伸びが上手くいったパンは、外側に美味しそうな窯伸びによる亀裂があります。

パンを買う時に役立つ用語<パンの種類など>

パン屋さんめぐりをしていると、よく目にするのが「ブーランジェリー〇〇」とか「ベッカライ〇〇」というお店の名前。そもそもこれってどういう意味?と思ったことはありませんか?また、お店のパンの紹介で今さら聞けない用語などもよく目にします。用語の意味を知っていると普段パンを買う時に役立ちますので、ぜひ覚えてくださいね。basic-knowledge-and-pan-glossary-of-bread-2

ブーランジェリー

フランス語でパン屋さんを意味します。フランスのパン職人(ブーランジェ)がこだわりを持ってパンを作っているお店を「ブーランジェリー」と呼んでいます。

ベッカライ

ドイツ語でパン屋さんを意味します。主にドイツパンを作っているパン屋さんには「ベッカライ」を名乗っているお店が多くあります。

リーン(なパン)

「簡素な」とか「やせた」という意味で、シンプルな材料で作られ素材そのものの味を活かしたパンが多くあります。フランスパンやライ麦パン、オーストリアのカイザーゼンメルなど。主に小麦粉、酵母、塩、水の4つの材料で作られています。

リッチ(なパン)

「贅沢な」とか「豊かな」という意味です。菓子パンやデニッシュなどを総称します。基本材料の小麦粉、砂糖、酵母、塩、水の他に、バターや砂糖、卵、乳製品などの配合が多く、口どけがよく、ソフトな食感が特長です。

ワンローフ

ワンローフは食パンの形状のひとつです。アメリカでは「ひとつのパン」という意味で使われています。パン生地を1本のロール状にして、パンケースに入れて焼き上げています。ひと山で細長い形をした食パンのことです。

プルマン

いわゆる「角型食パン」のことを言います。食パンの形がプルマン車(米国プルマン社の客車)に似ていることから名づけられたのが由来です。食パンケースにフタをして焼くと角型の形状の食パンに焼きあがります。

ラウンドトップ

「山形食パン」のことを言います。

パン・ド・ミ

フランスでは「パン・ド・ミ(パン・ドゥ・ミ)」と呼ばれています。フランス語で「ミ」は「中身」を意味します。フランスでは、バゲットがパリパリとした食感を楽しむパンであるのに対し、パンの内側のふんわり柔らかな部分を食べたい時に選ばれている食パンです。

おわりに

パン作りやパンを買うときに役立つパン用語をご紹介しました。

自分でパン作りをする方は、専門用語などもぜひ覚えて役立ててください。自分では作らないという方も、食べ頃やおいしい焼き方などを知っていると便利なため、これらの知識を活用してパンを楽しみましょう。