なるほど!【食パンの雑学】どうして一斤って言うの?パン屋さんの1ダースは13個って本当?

なるほど!【食パンの雑学】どうして一斤って言うの?パン屋さんの1ダースは13個って本当?

食パンを1斤、2斤と数えるのはご存じかと思いますが、「1斤って具体的にどのくらいの大きさ?どれくらいの量?」と聞かれるとはっきり答えるのは難しいのではないでしょうか。

ここでは、知っているようで知らない、さまざまな食パンの雑学についてご紹介します。

食パン1斤の大きさは?重さは何グラム?

units-and-size-of-bread5-2それではまず「斤」とはどのような単位か確認しましょう。
斤とは、日本で昔から使われている、尺貫法における重さの単位の1つで、約600gです。しかし、斤の中にも種類があります。
パンの単位で使われている1斤は通常の1斤とは異なるもので、英斤(ポンド)をもとにした約450gとなっています。
食パンが明治初期にイギリスから伝わったときに食パン1個を「1斤」と数えるようになったのですが、当時の1個が約450gだったため、約450gが1斤であると認識されました。
パンの大きさや重さは、作り方やそのときどきによって異なり、毎回同じ重さに焼き上げるのは至難の業です。そのため、現在の日本の製パン業界では、半斤を170g以上、1斤を340g以上、1.5斤を510g以上、3/4斤を255g以上と分類し、食パンの最低限の重さとして定めています。
現在では1斤350g~400g程度が一般的です。斤は重さの単位のため、大きさについては特に定めてはいません。

なるほど!食パンにまつわる雑学

ここでは食パンの切り分け方や食パンの語源、食パンのパン型に関する雑学をご紹介します。

食パンの切り分け方

食パンの切り分け方は、関東では6~8枚切り、関西では4~5枚切りが主流と、実は地域差があります
せんべい文化でパキっとした食感を好む関東と、粉もの文化でもっちりとした食感を好む関西とで差が生まれたとする説や、関東ではメーカーが6枚切り食パンの販売を進め、関西では個人のパン屋さんが客に合わせて販売した5枚切り食パンが人気になったという説があります。

食パンの語源は?

また、なぜ食パンのことを「食パン」と呼ぶのかご存じでしょうか。
これには諸説がいくつかあるようです。

・デッサンの際には、パンの白い部分を丸めて消しゴムとして使っていたようです。食用のパンと消し具用のパンを区別するために食パンと呼ぶようになった説。

・食パンをふんわりと膨らませるのは酵母菌の働きになります。膨らんだパンの断面を見てみると、すだちの中に虫食いのような小さな穴が見つかります。これは酵母菌が食べた跡だとも言われていたので、酵母菌に「食べられたパン」で「食パン」と呼ばれるようになった説。

・キッチンに備わっているものの中に、「食パン」の他に「パン」と呼ぶものがもう一つあります。それはフライパンです。このフライパンと区別するために「食パン」と呼ぶようになった説。

・明治初期に外国人が主食として食べていたことから「主食用のパン」という意味で「食パン」と呼ばれるようになったという説などがあります。

食パンのパン型

units-and-size-of-bread-3自宅で食パンを作る際に使うパン型にも、長方形のものや正方形のものなど、さまざまな形やサイズがあります。
パン型の素材は、アルミやアルタイト、フッ素加工された型など種類が豊富です。アルタイトは空焼きが必要なため手入れが大変ですが、使うほどに型離れが安定していくという特徴があります。
フッ素加工された型は型離れが良く、空焼きの手間が必要ないことから初心者におすすめです。

パン業界の変わった単位

皆さんは「パン屋の1ダース」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
1ダースといえば一般的には12個のことですが、実は「パン屋の1ダース」は13個です。
イギリスではパンが主食として重要な食べものであるため、パン屋が不正をして暴利をむさぼると生活に支障が出てしまいます。そのため、定められた重量より少なく販売した場合はパン屋を罰するという法律がありました。
そのため、パン屋は重量を下回ることを恐れ、自主的に1つパンを増やすことでその罰を逃れようとしたのです。そしていつしか、13個作る風習が定着し、パン屋の1ダースは13個になったというのです。
しかし、単に罰を逃れようとしただけではなく、1個おまけをつけてお得感を出すという面もあったようです。
作り方やそのときの条件などで焼き上がりの重さが変わってくるというパンの特性から、「パン屋の1ダース」などの変わった風習が生まれたといえるでしょう。

おわりに

普段よく耳にはするけれど、実はあまり知らない食パンの単位と大きさ、そして食パンの雑学についてご紹介しました。
ひとえに食パンといっても、単位や重さ、大きさ、形などはさまざまです。
これを機に、実は奥深い食パンについてもっと足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。