フランスパンとバケット、バタールの違いは?フランスパンの種類について

フランスパンとバケット、バタールの違いは?フランスパンの種類について

日本の朝食に出てくることも多いフランスパン。フランスパンと聞くと「長くて硬めの食感の…」とイメージする方も多いはず。
しかし実際には、フランスパンにはたくさんの種類があります。パン屋さんで、フランスパンに似た「バケット」や「バタール」というパンを見かけたことがある方も多いと思います。
それでは、バケットとバタールはどのように違うのでしょうか?

今回はバケットとバタールの違い、そしてさまざまなフランスパンの種類についてご紹介します。

「フランスパン」って一体どのパン?

type-of-french-bread-2そもそも、フランスパンという名前が一体どのパンを指しているかご存じでしょうか。フランスパンはあの長くて硬いパンのこと、と考えている方も多いと思いますが、実はそうではありません。フランスパンはフランスのパリを発祥とするパン全般を指す言葉。クロワッサンやブールなどの長い棒状でないパンもフランスパンです。
フランスパンの特徴はその硬さとさっくりとした食感ですが、これはフランスで生産される小麦が、パンをふっくらさせるために必要なグルテンをあまり含んでいなかったことによる影響だといわれています。
フランスパンは基本的に小麦粉・水・塩・イースト・モルト(麦芽)を使って作られており、素材がシンプル。それだけに、おいしいフランスパンを作るためには高度な技術が求められます。
フランスパンには、日本でよくパンに使われる強力粉ではなく、グルテンが少ない中力粉がよく使用されます。しかし日本ではもっちりとした食感が好まれるため、グルテンの多い小麦粉を使用し、粘り気を出しやすい製法で作られることが一般的です。

バケットとバタールの違い

type-of-french-bread-3フランスパンの1種であるバケットもバタール。使われている生地は一緒です。生地は一緒であるにもかかわらず、なぜバケット、バタールと呼び方が異なるのでしょうか。
一説によれば、「パンの価格が変動すると社会が不安定になる」と考えたフランス政府が、重量に合わせてパンの価格を細かく決めたことが原因といわれています。

それでは、バケットとバタールの細かな違いを見てみましょう。

【バケット(Baguette)】
長さ約70~80cm、重量300~400g前後。日本で「フランスパン」というと多くの人がイメージする、細長い棒状のパンです。表皮は硬くパリッとしており、塩味があります。
「バケット」という名前が浸透していますが、実は正しくは「バゲット」。フランス語で「杖」または「棒」を意味します。

【バタール(Bâtard)】
長さ約40~50cm、重量は300g程度。バケットよりも短く、太いのが特徴です。
「バタール」はフランス語で「中間の」という意味です。名前に「バター」と入っているためバターを使って作られていると誤解されることがありますが、バターが使われているわけではありません。

フランスパンの種類

バケットとバタールの他にも、フランスパンにはさまざまな種類があります。

【1】エピ(Epi)
穂の形状をしたパンです。名前はフランス語で「(麦の)穂」を意味します。

【2】クッペ(Coupé)
長さ約20cmのパンで、一本だけ大きな切れ目が入っています。名前はフランス語で「切られた」という意味です。

【3】クロワッサン(Croissant)
他のフランスパンとは異なり、バターを多く使用して作るパンです。名前はフランス語で「三日月」を意味します。

【4】シャンピニョン(Champignon)
重量約50gのキノコ型のパンです。「シャンピニョン」はフランス語で「キノコ」、特にマッシュルームのことです。

【5】ドゥ・リーブル(Deux livres)
長さ約55cm、焼き上がりの重量は700g~900g近くにもなる大きく重みのあるパンです。名前はフランス語で「2ポンド(1kg)」。

【6】パリジャン(Parisien)
長さ約50~70cm、重量400~500g前後で、表面に5~6本の切れ込みが入っている太い棒状のパンです。名前のパリジャンは「パリっ子」という意味があります。

【7】パン・ド・カンパーニュ(Pain de campagne)
丸型、またはラグビーボール型のパンで、直径15~30cm、重量は300g~1kg。名前はフランス語で「田舎(風)パン」という意味があります。

【8】フィセル(Ficelle)
長さ約30cm、重量約120~150g前後。「フィセル」はフランス語で「ひも」を指します。その名の通り、ひものように細長いパンです。

【9】ブール(Boule)
重量約300gの半球状のパンです。表面にクロスした切れ込みが入っています。ブールとはフランス語で「ボール」を意味する言葉。フランス語のパン職人「ブーランジェ(Boulanger)」、パン屋「ブーランジェリー(Boulangerie)」の語源となっています。

【10】フルート(Flûte)
長さ約50~60cm、重量約200~250g前後。楽器のフルートのように細長いパンです。名前の意味もそのまま楽器の「フルート」を意味します。

おわりに

フランスパンについて、バケットとバタールの違い、そしてフランスパンの種類についてご紹介しました。
フランスパンの細かい種類について知っていると、話のネタになるのはもちろん、パン屋さんでパンを選ぶ際にも楽しめそうですよね。自分で作るのもきっと楽しいはずです。
フランスだけではなく日本でも親しまれているフランスパン。フランスパンの種類や名前の由来を知ることが、その奥深い世界に足を踏み入れるきっかけになるかもしれません。

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