パン作りに必須の酵母とは?イースト菌と野生酵母(天然酵母)の違い

パン作りに必須の酵母とは?イースト菌と野生酵母(天然酵母)の違い

近年、老若男女問わずパン食が普及し、スーパーやコンビニの店頭にもさまざまなパンが並んでいます。

以前は自然食品店やごく一部のパン屋でしか販売されていなかった野生酵母(天然酵母)のパンも、最近ではスーパーやコンビニ、駅構内の売店でも見かけるようになりました。

パン作りに欠かせないパン酵母ですが、そもそも酵母とはどのようなものかご存じでしょうか。

今回は、代表的なパン酵母であるイースト菌と野生酵母(天然酵母)の違いをご紹介します。

酵母とは

7174-00012-2酵母は自然界に数多く存在する微生物のことです。人は、有史以前から酒を始めとするさまざまな食品の醸造に酵母を活用してきました。

パン作りに使用する「パン酵母」は、パン生地に含まれる糖を栄養源として発酵する酵母です。発酵の際に排出する炭酸ガスとアルコールの力で生地が膨らみ、ふっくらとしたパンが焼き上がります。

また、パン独特の風味と味はこのパン酵母の発酵によるものです。

 

パンの酵母・イースト菌

酵母による発酵を活用した食品には、酒・しょうゆ・みそなどさまざまな食品がありますが、パンに使用される代表的な酵母は「イースト菌」です。

 

パンに使用されるイースト菌は「生イースト」「ドライイースト」の2種類に分けられます。生イーストは発酵力が強く安定しているのが特徴で、主に大量生産を目的としたパンに使用されます。

ただし生イーストは日持ちしないため、家庭でパンを作る際にはインスタントタイプのドライイーストを使用するのが一般的です。

 

イースト菌が最も活性化する温度は30℃前後です。パン作りに適した温度範囲は25~35℃といわれており、低温だと発酵が遅れ、10℃以下になると発酵はほとんど進みません。反対に50℃以上の高温になるとイースト菌は死滅します

保存性の高いドライイーストも、開封することにより少しずつ活性が失われていきます。開封後は速やかに使いきるか、密封して冷蔵庫または冷凍室で保存しましょう。

また、パン製品の原材料表示などに表記されているイーストの語源は「酵母」を意味する英語の「イースト(Yeast)」であり、日本のパン業界ではこの呼称が慣用的に使用されてきました。

しかし、消費者の一部に「イーストと酵母は違うものである」と認識され、化学的・非天然なものであるという誤ったイメージを持たれがちです。

そのため最近では、原材料表示において「イースト」ではなく「パン酵母」と表示するパン製品も増えています。

イーストは化学的に作り出した食品添加物であると誤解されている方もいますが、パン酵母に適した微生物を純粋培養したものであるため、化学的に作り出したものではありません。

野生酵母(天然酵母)

野生酵母は、天然の原料だけで作った自然の酵母菌です。ブドウなどの果物や穀物に付着している野生の酵母に、水と穀物粉(小麦粉など)を加えて繰り返し培養することにより作られるパン酵母です。

果実や穀物に水を加えて一定温度を保つことによって作ることができます。しかし、イーストと比較して温度管理が複雑であり、発酵力が弱く、培養される酵母菌の数も不安定です。慣れないと扱いづらい酵母でもあります。

また、野生酵母には複数の酵母や乳酸菌など、さまざまな微生物が混在しています。そのため、単一種のイーストにはない独特の風味、うま味、食感を楽しめることが特徴です。

果物・穀物・根菜のフレーバーなど、野生酵母のパンは使用する素材により味が異なり、さまざまな個性が生まれます。それが野生酵母の魅力といえるでしょう。

おわりに

野生酵母と比較して、イーストは人工的なものとして表現されている場合がありますが、野生酵母もイーストもどちらも自然界に存在する酵母です。

安定した発酵力で使用しやすいイーストと、独特な味わいを生み出せる野生酵母、どちらも異なる魅力があります。それぞれの酵母の特徴を利用することで、オリジナリティあふれるパンを作ることができるでしょう。

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