胚芽・全粒粉・ふすまはどう違う?パンに使われる胚芽・全粒粉・ふすまの違い

胚芽・全粒粉・ふすまはどう違う?パンに使われる胚芽・全粒粉・ふすまの違い

胚芽パン、全粒粉パン、ふすまパンなど、私たちの生活にとても身近なパンにはさまざまな種類があり、それぞれの原料はよく注目されています。では、近年健康食品として注目されている「胚芽・全粒粉・ふすま」には、それぞれどのような違いがあるのでしょうか?

それぞれに含まれる栄養素や特徴について比較してみましょう。

「胚芽」は基礎的な健康づくりに

胚芽とは、植物の種子の内部にある、最終的に芽になる部分を指します。もともと小麦を製粉する過程では捨てられてしまう部分でした。

しかし、胚芽には脂質・タンパク質・ミネラル・ビタミンなどのさまざまな栄養素が含まれており、小麦の中で最も栄養価の高い部分として注目されています。そのため近年では健康食品として使用されることが多くなっています。

胚芽に期待できる作用として、疲労回復・血液循環機能の向上・貧血改善・肌質改善・便秘改善などが挙げられます。

胚芽が使われたパンは栄養価が高い上に、血糖値の上昇度合いを表す指数「グリセミック・インデックス(GI)」が一般的な食パンやロールパンに比べて低く、ダイエット中の方はもちろん、美容や健康に気を使う方にも注目されています。

「全粒粉」は長生きに良い?

difference-of-germ-whole-grains-wheat-bran-2一般的な小麦粉は、製粉時に胚芽と表皮(ふすま)を取り除いたものですが、全粒粉とは小麦全体をひいたものを指します。全粒粉を使ったパンは茶色く、やや苦みが出ることがあります。

全粒粉にはビタミンB群、ビタミンE、ミネラルなどが多く含まれ、中でも食物繊維が豊富なことから、小麦のみを使った一般的なパンよりも満腹感を得られるという意見があります。また、コレステロール値の低下や血糖値急上昇の防止、心臓発作やがんなどの大病の発症率を低下させる可能性も期待されています。

なお、パンを主食とすることの多い欧米の国々では、長生きをしている方の大半が、一般的な小麦粉ではなく全粒粉で作られたパンを食べているともいわれています。健康に気を使う方は要チェックですね。

「ふすま」はダイエット中の方向け?

difference-of-germ-whole-grains-wheat-bran-3ふすまは小麦の表皮の部分で、胚芽と同じく一般的には小麦の製粉時に捨てられてしまう部分です。全粒粉と並んで食物繊維が豊富、かつ低糖質・低カロリーであることが注目されており、ダイエットに気を使う方を中心に注目されています。

ふすまを使ったパンは「ブランパン」と呼ばれ、黒糖パンのようにやや茶色がかった見た目が特徴です。最近ではさまざまなパン屋さんやコンビニなどでもブランパンを見かけるようになりました。

ふすまに含まれている主な栄養素は、カルシウム・マグネシウム・鉄分・亜鉛など体の形成に必要なものばかりです。

ブランパンはややパサパサとした仕上がりの印象がありますが、低糖質・低カロリーであることや程よい甘さと満腹感を得られることも手伝って、小腹が空いたときに手を伸ばしやすいパンです。

また、パン以外にも洋菓子の製造に使用されることがあります。甘いものを完全に遮断することに抵抗のあるダイエット初心者の方の強い味方となってくれそうですね。

おわりに

胚芽、ふすまは普段は捨てられてしまう小麦の内部と表皮の部分であり、全粒粉はそれらを含む小麦全部をひいたもの。それぞれに栄養成分や特徴が異なります。

胚芽は疲労回復や貧血改善などに、全粒粉はコレステロール値や血糖値のコントロールに、そしてふすまはダイエットに適しているといわれています。

胚芽、全粒粉、ふすまそれぞれの特徴を理解し、自分の目的とぴったり合うパンを選んで素敵で有意義なパンライフを楽しんでくださいね。