グルテンフリー生活や食料自給率アップに!オーガニック米粉パンの魅力

グルテンフリー生活や食料自給率アップに!オーガニック米粉パンの魅力

日本人にとって、団子やおせんべいなどの和菓子を始め、米粉を原料とした食品は馴染みのあるものです。
近年では製粉技術の進歩により、それまで小麦粉で作られていたパンや麺類、ケーキなどさまざまな食品に米粉が利用されるようになりました。
米粉パンは一見すると普通のパンですが、キメ細かくもちもちとした食感が特徴です。最近では素材にこだわったオーガニック米粉パンも注目を集めています。

そこで今回は、グルテンフリー生活や食糧自給率の向上など、さまざまなメリットがあるオーガニック米粉パンの魅力をご紹介します。

グルテンとは

charm-of-bread-made-​of-rice-flourorganic-2タンパク質の1種であるグルテン(gluten)は、小麦・大麦などの穀物の胚乳内にあるグリアジンとグルテニンという貯蔵タンパク質が結びつくことにより生成されます。
小麦粉を水でこねると生地に粘りが出る理由は、グルテンが持つ弾性のためです。パンやパスタ、ケーキ、クッキーなどの小麦製品にはグルテンが多く含まれています。

グルテンフリーとは

グルテンフリーとは「グルテンを摂取しない」食事法のこと。「グルテンは体に悪い成分だから摂取しない!」ということではなく、もともとはグルテンにアレルギーを持っている方向けの食事法です。
グルテンに対するアレルギー体質の方がグルテンを摂取すると、免疫が過剰に反応して消化不良・吐き気・痛み・湿疹などの症状が出てしまいます。このような症状を避けるためにグルテンアレルギーの方がグルテンフリー生活を始めたところ、体調不良が改善されたという意見が聞かれるようになりました。今では健康意識の高い方を中心に、特に海外で広まっています。

また、グルテンの前駆体であるグリアジンには、食欲を増進させる働きがあるとされています。パンやケーキを食べ出すとなかなか止められないようになる場合があるのはこのせいだともいわれています。
食欲を増進してしまうグルテンの摂取を控えることでやせようという「グルテンフリーダイエット」も、近年日本でよく耳にするようになっています。

オーガニック米粉パンの魅力

correct-storage-method-of-bread_1米粉パンは、主にうるち米を製粉した米粉を使用して製造されています。一部うるち米ともち米とを混ぜ合わせて製造しているパンもあるようです。
パンは小麦粉を使用して製造されることが一般的ですが、米粉パンは小麦粉の代わりに米粉を使用することにより、さまざまなメリットを生み出しています。

【1】グルテンフリー

従来、100%米粉でパンを作ることは不可能とされていました。
その原因は、米粉がグルテンを含まないことです。粘り気の元となるグルテンが含まれないため生地に粘りが出ず、発酵した際に気泡が残りません。パン特有のふっくらとした食感が生まれなかったのです

しかし、2001年に山形大学工学部の研究グループが初めて米粉100%のパンを作ることに成功しました。プラスチック発泡成形の考え方を応用することで欠点を克服し、それから徐々に米粉100%のパンが普及し始めたのです。

最近では米粉の高度な製粉技術により、グルテンフリーで米粉100%のパン、麺やうどんといった、これまで小麦由来で作られていた料理が米でも作れるようになっています。料理研究家で(社)日本米粉クッキング協会の代表理事である、大塚せつ子氏はその高度な調理技術によって、何十種類にも及ぶ美味な米粉料理を完成させています。

米粉100%のパンはグルテンを含まないため、小麦アレルギー・グルテンアレルギーの方でも安心して食べられます。また、小麦粉のパンと比較して高タンパク・低カロリーであるため、ダイエットをしているがどうしてもパンを食べたくなった、という方にもおすすめです。

【2】食料自給率を上げる

主要先進国の中で、日本の食料自給率は非常に低い水準です。日常的に食べているほとんどの食物を、海外からの輸入に頼っています。中でも小麦は87%が輸入でまかなっており、自給率は13%です。 charm-of-bread-made-​of-rice-flour-organic-4_1また近年、日本では食生活の欧米化が進み、主食であるごはん(お米)ではなく、パンやパスタなどの小麦製品から摂る方が増えました。
昭和35年からのこれまでの食生活の移り変わりを見ても分かるように、小麦や肉、油の消費量が増加する一方で、自給率の高いごはん(お米)は昭和35年(1960年)の48.3%からなんと2014年には半減以下の22.3%となっています。

国民一人1日あたり供給熱量でみる食生活の変化(北陸農政局HPよりグラフ参照) charm-of-bread-made-​of-rice-flour-organic-6charm-of-bread-made-​of-rice-flour-organic-5
主食まで輸入品に依存しないためには、食料自給率の向上が必要不可欠。そして食料自給率の向上には、お米を中心とした食生活が重要だといわれています。
お米中心の食生活というと和食をイメージしますが、お米はご飯だけでなく米粉パンとして楽しむことも可能です。日本人の主食であるお米はさまざまな可能性を秘めているといえるでしょう。

【3】安心・安全

米粉パンを選ぶ際には、有機米を使用したオーガニック米粉パンをおすすめします。
有機米とは、種まき前の過去3年以上および栽培期間中も、化学肥料・農薬などの合成化学物質、生物薬剤、遺伝子組み換え技術を使用していないお米のことです。
「有機」と表示するためにはJASの認定を受ける必要があります。土地の資源をできるだけ活用し、自然本来の力で生産された有機米は環境にやさしく、生産から消費までの過程にある厳しい審査をクリアした安心・安全なお米です。

おわりに

日本人に馴染みのあるお米が原料である米粉パンは、子供からお年寄りまで幅広い年代の方が楽しめるだけでなく、さまざまな可能性を秘めたパンです。さっそく今日から食生活に取り入れてはいかがでしょうか。
たかがパンと思うかもしれませんが、オーガニック米粉パンを食べることは、国産食材を安心して食べられる社会、そして子供たちの健やかな未来を実現するための小さな1歩になるのではないでしょうか。