実は日本発祥!クリームパンの歴史やグローブの形の意味、バリエーション

実は日本発祥!クリームパンの歴史やグローブの形の意味、バリエーション

クリームパンといえば、手軽に食べられる菓子パンとして有名です。コンビニやスーパー、パン屋さんなどでよく見かけますよね。このクリームパン、実は海外ではなく日本発祥のパンだということをご存じでしょうか。また、なぜあのような独特のグローブ形をしているのか、ご存じでしょうか?

今回は、「食べたことはあっても、そういえばよく知らない」という方も多いクリームパンの歴史やグローブの形の意味、クリームパンのバリエーションをご紹介します。

クリームパン誕生のきっかけはシュークリーム?

クリームパンが日本で初めて販売されたのは、なんと100年以上も前の1904年です。クリームパンの元祖は新宿中村屋(http://www.nakamuraya.co.jp/)で、クリームパン誕生のきっかけはシュークリームだったといわれています。
初めて食べたシュークリームの味に感動した中村屋の創業者ご夫妻が、あんぱんの餡のようにクリームをパンに入れることを思いつき、クリームパンが誕生したのです。

クリームパンはなぜグローブの形なの?

現在、クリームパンには丸や四角、動物の顔などさまざまな形がありますが、やはりクリームパンといえばグローブのような独特の形を思い浮かべる方が多いと思います。ひと目見ただけで「クリームパンだ」と分かるあの形。なぜ、そのような形になったのでしょうか?

そもそも、中村屋で生まれたクリームパンは、最初柏餅のような形をしていました。そこからグローブの形になった明確な理由は分かっていませんが、有名な説としては「パン生地を発酵させた際にできてしまう空洞をなくすために、生地に切れ込みを入れたから」というものがあります。

パン生地は発酵する際に膨らんで大きくなりますが、生地の中のクリームは膨らむわけではありません。そのため、結果的にクリームが少なく見えてしまいます。パンを食べた人に「クリームが少ない」とがっかりさせてはいけないと思った結果、切れ込みを入れて空洞をなくそうとした、と考えられているのです。クリームパンのグローブのような形は、お客様のことを考える心遣いが生んだ形といえるのではないでしょうか。

進化を続ける日本のクリームパン

100年以上前に誕生し、今なお人気のクリームパン。現在ではクリームパンにもさまざまなバリエーションが生まれています。

例えばクリームパンのクリームひとつ取っても、パン屋さんや製パンメーカーの工夫や努力を感じることができるでしょう。

生クリームをたっぷり使ったクリーム、バニラビーンズ入りのもの、卵の味が色濃く出るクリームにチョコレートや抹茶を混ぜたクリーム……。固めのクリームや、パンを割るととろけて流れ出てしまうようなやわらかいクリームなど、クリームの固さにもさまざまなバリエーションがあります。

進化しているのはもちろんクリームだけではありません。デニッシュ生地のクリームパンやブリオッシュ生地のクリームパンなど、生地にこだわったクリームパンも見られます。

味やクリームの固さ、生地の種類などに注目して、自分好みのクリームパンを探してみるのも楽しそうですね。

おわりに

日本で生まれ、日本で育ち、進化を続けるクリームパン。その発祥や歴史、バリエーションについてご紹介しました。

今では定番の菓子パンになったクリームパンですが、街のパン屋さんに出かけてみれば、今まで出会ったことのないような新しいクリームパンに出会えるかもしれません。ぜひさまざまなクリームパンを食べ比べてみてください。