チャバタやロゼッタ、グリッシーニなど、イタリアのパンの種類と特徴

チャバタやロゼッタ、グリッシーニなど、イタリアのパンの種類と特徴

イタリアの食べ物と聞くと、パスタやピザのイメージが強いかもしれません。しかし、実はイタリアにおけるパンの年間消費量はパスタの約2倍。パスタは13~14世紀にイタリアの一般家庭で食べられていましたが、パンはすでに古代ローマ時代から食べられています。

今回はイタリアの食卓に欠かせないイタリアパンの種類と特徴をご紹介します。

古代ローマとパン

パンは古代エジプトで生まれ、その後古代ローマに伝わってローマ軍の兵士たちを支えたといわれています。古代ローマの地方都市ポンペイからは、パン工房の跡が発掘されています。古代ローマでは、パンを作る際は大型の石臼が使われていました。

現在では、古代ローマから続く昔ながらの製法でパンを作るお店もあるようです。

イタリアのパンの特徴

types-and-characteristics-of-italian-bread-2古代ローマからの歴史を誇るイタリアのパン。地方のご当地パンが約250種類、細かく分けると1,000種類以上存在するといわれています。

イタリアのパンは日本のパンと異なり、味が薄く、水気が少ないことが特徴です。パンだけで食べるのではなく、パスタソースやサラミ、ベーコンと一緒に、またはオリーブオイルに浸して食べることを前提としたものが多いため、水分と塩分が抑えられているのです。

代表的なイタリアのパン

ここでは、数あるイタリアのパンの中から、代表的なパンをご紹介します。

【フォカッチャ(Focaccia)】

types-and-characteristics-of-italian-bread-3フォカッチャは、イタリア語で「火で焼いたもの」という意味を持ち、現在のピザ生地の原型といわれているパンです。生地にオリーブオイルが練りこまれ、ローズマリーやハーブ、ドライトマトなどで風味付けされたものもあります。
日本でも、イタリアンレストランやイタリアンファミレスなどで気軽に食べることができます。

【チャバタ(Cabatta)】

イタリア語で「スリッパ」が語源の四角いパンです。たくさんの水を使用するチャバタの表面は香ばしく、中は水分をたっぷり含んだもちもちとした食感です。オリーブオイルや生ハム、チーズとの相性がバツグンです。

【グリッシーニ(Grissini)】

types-and-characteristics-of-italian-bread-4スティック状の細長いパンで、長いものでは75cmもあります。塩味の効いたクラッカーのような食感のグリッシーニは、ワインのおつまみにぴったり。グリッシーニはそのまま口に入れるのではなく、ちょうど良い長さに折ってから食べると上品です。

【ロゼッタ(Rosetta)】

バラの花のような見た目から「ロゼッタ(バラ)」と呼ばれるようになったパンです。ラード入りのロゼッタと、ラードを含まないカリッとしたロゼッタの2種類がありますが、日本ではラード入りのものが好まれます。切り込みを入れて、サラミや生ハム、トマトなどを挟んで食べます。

【パネトーネ(Panettone)】

イタリアのクリスマス用パンです。パネトーネのパネは「パン」、トーネは「大きい」を意味します。記事にレーズンやオレンジピールといったドライフルーツが練りこまれており、パンを噛むとドライフルーツの甘酸っぱさが口いっぱいに広がります。
クリスマスシーズンに食べるパンとして外せないパネトーネですが、現在では季節を問わず一年中販売されています。
日本では、一部のパン屋さんや洋菓子店で見かけることができます。

【パンドーロ(Pandoro)】

「黄金のパン」を意味するパンドーロは、パネトーネと同様、クリスマスによく食べられます。生地を星の形をした型に入れて焼き、粉砂糖を振りかけて食べます。ちなみに、小型のパンドーロは「パンドリーノ」と呼ばれます。
こちらもパネトーネと同じく、日本では一部のパン屋さんや洋菓子店で見かけることができます。

【コロンバ/コロンバ・パスクワーレ(Colomba/Colomba pasquale)】

鳩の形をした、甘い口当たりのパンです。コロンバは「鳩」、パスクは「復活祭(イースター)」を意味し、主にキリストの復活祭のときに食べられます。
復活祭があまり一般的ではない日本では、他のイタリアパンに比べるとあまりなじみがないかもしれません。

おわりに

レストランなどでお皿に残ったソースをパンに付けて食べる方も多いと思いますが、どんな食べ物とも合うイタリアのパンは、さまざまな料理のソースと相性バツグンです。

パスタや料理のソースをパンに付けて食べることを、イタリア語で「スカルペッタ(scarpetta)」といいます。フォーマルな場面では避けることが無難ですが、カジュアルな場面ではスカルペッタしても良いかもしれませんね。