米粉パンは小麦粉パンよりもカロリー控えめ!製パン用の粉別の特徴

米粉パンは小麦粉パンよりもカロリー控えめ!製パン用の粉別の特徴

パンの原料といえば小麦粉が主流ですが、最近は米粉から作られた米粉パンの人気も高まっています。米粉パンは小麦粉パンに比べてカロリーが控えめといわれていますが、他にはどのような特徴があるのでしょうか。

今回は、製パン用の粉それぞれの特徴をご紹介します。

小麦粉の特徴

characteristic-of-flour-for-bread-2 まずはパンの原料の王道、小麦粉についてご紹介します。

小麦粉とは小麦を製粉したもので、タンパク質の割合によって「強力粉」「中力粉」「薄力粉」の3種類に分類されます。この3種類の小麦粉は小麦の胚乳のみを使用していますが、小麦の表皮・胚芽・胚乳をすべて粉にした「全粒粉」も、小麦粉の1種として知られています。

小麦粉に含まれているタンパク質が水に混ざると、粘り気のある「グルテン」が生成されます。タンパク質が多ければ粘り気は強くなり、少なければ粘り気が弱くなります。

グルテンの粘りを種類によって調整できることが、さまざまな料理に使える小麦粉の特徴です。

パンで使う小麦粉として一般的なものは、最もタンパク質の多い強力粉。しっかりと発酵させて粘りを出すことで、ふっくらとした食感のパンを焼き上げることができます。

米粉の特徴

characteristic-of-flour-for-bread_2米粉は、その名の通りお米を製粉したものです。もち米を製粉した「白玉粉」や、うるち米を製粉した「上新粉」などが有名ですが、グルテンを含まない米粉は製パン用の粉としては向かないとされていました。そのため、小麦粉を主体に米粉を加えて作る米粉パンが一般的でしたが、最近になって製パン用に使える米粉が開発され、米粉100%の米粉パンが注目を集めています。

製パン用の米粉は、うるち米を従来の米粉よりもきめ細かく製粉しており、小麦粉よりも高い保湿性を持つことが特徴です。

また、米粉は小麦粉に比べて水分の吸収率が良いため、少量の粉で製パンすることができます。使用する材料が少なくて済むことが、カロリーが低いといわれる理由の1つになっているのではないでしょうか。

さらに、米粉パンは小麦粉パンに比べ腹持ちが良いのも特徴です。米粉のもっちりとした食感はたくさんかむことにつながり満腹感を得やすいためといわれています。「食べ過ぎ防止」「血糖値が上がりにくい」などのメリットがあるといえるでしょう。

なお、一般的な小麦粉パンのカロリーが100g当たり約270キロカロリーであるのに対し、米粉パンは180キロカロリーと控えめです。

米粉と小麦粉の栄養面での違い

characteristic-of-flour-for-bread-4お米や小麦は、どちらも良質な炭水化物として長年親しまれてきました。

米粉にも小麦粉にも、炭水化物の他、タンパク質、ビタミンEなどのビタミン類、ミネラル類が含まれています。

必須アミノ酸の含有比率の評価数値であるアミノ酸スコアは、米粉が65、小麦粉(強力粉)が38。アミノ酸スコアに関しては米粉の方が高い数値を示しています。

また、脂質やタンパク質、糖質の代謝に不可欠とされるナイアシンの含有量は米粉の方が多く、貧血防止に役立つ鉄分は小麦粉(強力粉)に多く含まれています。

小麦粉の中で最も栄養成分が豊富なのは、小麦の表皮・胚芽・胚乳をすべて粉にした全粒粉。薄力粉と比較すると食物繊維や鉄分の量が約3倍で、ナイアシンは約4倍、ビタミンAは約12倍です。ただし脂肪に関しては全粒粉の方が多いため、脂質を抑えたい場合は摂りすぎに注意が必要かもしれません。

おわりに

お米も小麦粉も、長く主食として親しまれてきた食品です。

小麦粉は栄養成分豊富な上、うどんやパスタ、ピザにお菓子、天ぷらなどさまざまな料理に使える魅力があります。

米粉にも、栄養面やカロリーの低さを始め、たくさんの魅力があります。また比較的新しい素材であることから未知の可能性を秘めています。米粉パンに限らず、揚げ物やお菓子をヘルシーにアレンジすることもできるでしょう。

米粉と小麦粉はどちらも異なる特徴と魅力を持ち合わせています。自分の好みやライフスタイルなど、必要に応じて米粉パンと小麦粉パンを選んでみてはいかがでしょうか。