「芒種」の山椒ちりめんぱん【シリーズ:二十四節気を楽しむぱん】

「芒種」の山椒ちりめんぱん【シリーズ:二十四節気を楽しむぱん】

二十四節気を楽しむ 一膳の手まるめぱん

1年を太陽の動きに合わせて24の期間に分け、季節を表した「二十四節気」。太陰太陽暦(旧暦)では季節を表すために用いられていました。
「じゃぱん」では二十四節気(にじゅうしせっき)を区切りとし、その時期に旬を迎える食材を使った「手まるめぱん」を連載でお届けします。
シンプルなレシピでつくる、手のひらサイズの手まるめぱん。日本の四季を感じる日本ならではのパンを、気軽に楽しみませんか?

「芒種」6月5日ごろ

「芒種」は6月5日ごろから6月20日ごろ、「夏至」前日までの約15日間またはこの期間の第1日目を指します。「芒(のぎ)」はもみがらにあるトゲのような突起を表し、穂のある穀物、稲や麦などの種をまく季節ということから、芒種と言われています。梅が黄色く色づき、蛍が飛び始めるころでもあります。五月晴れは長続きしなくなり、次第に梅雨が近づいてきます。

小粒でもぴりりと辛い「山椒」

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山椒は柚子と並んで、日本料理の二大香辛料とされています。沖縄をのぞく日本全国に自生しており、山椒が入った縄文土器が発見されていることから、その歴史はかなり古いと考えられています。

ミカン科の樹木で、トゲのある庭木としてもよく見かけます。春先の若芽は、田楽、木の芽あえなど香りづけや色づけに。少し育った葉は、刻んで薬味や佃煮に。花は醤油で煮ると大変おいしい酒の肴に。初夏の青い実は香辛料や佃煮として。黒く熟した秋の実は粉山椒にして鰻の蒲焼に。殺菌、健胃、食欲増進などの効果があり、四季を通じて料理に香りと彩りを添えてくれる存在です。また、成長が遅いため固く締まった枝はすりこぎの材料としても珍重されています。

山椒ちりめんの作り方~実山椒が手に入ったら

<材料>

  • ちりめんじゃこ  150g
  • 実山椒  大さじ3
  • みりん  1/4カップ
  • 酒  1と1/4カップ
  • うすくちしょうゆ  大さじ3

<下ごしらえ>
たっぷりの湯を沸かし、枝からはずした山椒の実を30分~1時間かけてゆっくり煮る。実の固さを見ながら、柔らかくなりすぎない程度まで煮たら水にさらし、水を代えながら半日ほど置く。(下ごしらえした実山椒は冷凍できるのでまとめて作るのがおすすめです)

<作り方>

  1. なべにみりん、酒を入れて火にかけ、アルコール分をとばす。うすくちしょうゆとちりめんじゃこを加えてアクを取りながら弱火で15分間くらい煮る。
  2. 煮汁が半分くらいになったら実山椒を加え、さらに5分間くらい煮る。
  3. 途中煮汁をスプーンですくって具にまんべんなく回しかけながら、弱火で煮汁がなくなるまで煮る。

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「芒種」の山椒ちりめんぱんのつくりかた

今回は、いつものパン生地から、「和」の山椒ちりめんと「洋」のクリームチーズという素材の組み合わせでぱんを作ってみます。ごはんのように食べられるよう、低めの温度で焼いて柔らかく仕上げます。山椒ちりめんは市販品を利用してもできます。

シンプルで簡単!手のひらサイズのパンは1カップの小麦粉で。

ふつう手ごねでもホームベーカリーでも、1斤の食パンを焼くには300g前後の小麦粉を使います。でも一人暮らしではちょっと多いし、発酵にも時間がかかりそう…と思う方、1カップ=100gの小麦粉で小さな「手まるめぱん」を作ってみませんか?材料と作り方はとてもシンプルです。

<材料>3個分

  • パン用小麦粉(強力粉)1カップ(100g)
  • 塩 小さじ1/4
  • 砂糖 小さじ1
  • 白神こだま酵母 小さじ1/2
  • 酵母を溶かす水 小さじ1(35℃にする)
  • 生地に加える水 55cc前後(30~35℃にする)
  • 山椒ちりめん 適量(※市販品または上のコラム内の作り方参照)
  • クリームチーズ 適量

※お使いになる小麦粉によって水分量が変わります。詳しくは小麦粉の商品説明書にてご確認の上、当レシピをご参照ください。

<作り方>

  1. 白神こだま酵母は、35℃くらいのぬるま湯小さじ1に浸して5分ほどおく。
  2. 小麦粉に塩と砂糖を混ぜておく。【1】の酵母をあわせて、生地の様子を見ながら55cc前後のぬるま湯を加え、耳たぶくらいの固さになるよう手のひらで温めながら捏ねていく。
  3. 乾燥しないように大きめのボウルなどに入れて30℃前後に保温し、大きさが2.5倍、指でおして生地が戻ってこなくなるまで発酵させる。
  4. 生地のガスを抜くように軽く丸め15分ほど休ませる。3等分して丸く形を整えたら、てのひらで平たく伸ばし、山椒ちりめん、クリームチーズの順に適量のせ、生地をひっぱりながらとじてていきます。
  5. とじ目を下にして天板に並べ、暖かいところで30分~1時間ほど発酵させる。
  6. 霧吹きで水をかけ、150~160℃のオーブンで15分くらい焼く。

おわりに

山椒ちりめんぱんの作り方はいかがだったでしょうか?山椒ちりめんの代わりに昆布の佃煮やくるみ小女子などの和惣菜を使ってもおいしいです。実山椒の下ごしらえからこだわって作るもよし、冷蔵庫に余っていた佃煮を使うもよし、白神こだま酵母ならではの、和素材にもよくあうぱんをぜひ味わってみてくださいね!
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